なぜ冬に炭を焼くか?

なぜ冬に炭を焼くか?

 作業が暑いので冬に炭を焼くわけではありません。
  木は樹皮のすぐ内側に形成層とよぶ、新しい細胞を作っている(要するに成長している)部分があります。葉緑体で作られた養分は師管という管を通って運ばれるのですが、この師管が樹皮のすぐ内側を通っています。そして師管が壊れたものが樹皮になり、形成層で作られた細胞が壊れると内側の木部と呼ばれるものになります。根から水を吸い上げる管は導管と呼ばれます。
導管、師管は人間の血管のような役割を果たしています。
 日本のように、冬は低温、夏は高温と温度差がある地域では、低温の冬には植物は成長が止まります。落葉するものもありますし、いわば冬眠しています。その成長期と冬眠期の存在が年輪となって現れます。
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冬眠期には水を吸い上げることもなく、養分を送ることもない。つまり、樹皮と木部の間が活動せず、落ち着いているということです。その状態が良い炭を焼く必須条件なのです。活動期の木を焼きますと、樹皮が剥がれ易いガサガサの炭になり、お茶炭にはなりません。
木を伐っていると良く分ります。4月になって木を伐ると、人ならすぐに血を流すと同じように、水を溢れさせる木があり驚くことがあります。クヌギはそれほどでもありませんが、4月に伐った木はやはりガサガサの炭になってしまいます。

  • 最終更新:2013-04-24 20:40:16

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